前回まで、相続放棄の手続の概要などをコラムで書かせていただいたところですが、この間も色々と相談を受ける中で、「これは伝えておいたほうがよいかも」と思うことがあったので、今回も、相続放棄を中心に書きます。
①残された家族は、みなさんがどんな財産を持っているかについて意外と知らない。
みなさんは、普段、ご自身の財産に何があるかというのをよく分かっています。
しかしながら、他人にはそのことは分かりません。
そして、このことは家族にもあてはまります。
ある方が亡くなられた場合、亡くなられた方がどこの銀行にどういう財産を持っていたのか、どこに不動産を持っていたのか、などを把握するのはなかなか大変です。
特に最近の個人情報保護の関係で、家族だからといっても銀行などは全部の情報を簡単には教えてくれません(銀行側などからしても、そうしたくてもできないのです)。
②相続の放棄は事前にはできない。
相続の放棄というのは、相続が発生する前にはできません。相続の放棄ができるのは、相続の開始があったことを知った日から3か月以内に限られます。
③相続の放棄を考える期間(3か月)はあっという間に過ぎてしまう。
相続が発生した場合、残された相続人は様々な手続(物の本によると90種類以上)をする必要があります。
そうすると、3か月というのはあっという間に過ぎてしまい、その間に相続を放棄するかどうかを決めないといけないですが、バタバタしているために冷静な判断ができないときもあります。
相続対策というのは、相続税がかかる人たちだけの話ではありません。
配偶者やこどもなどの相続人に争いが起きないように事前に準備することも重要な相続対策です。
もめごとを防止するためには、あらかじめ家族の中でどのような資産の活用、承継をするかを話し合っておくことが重要です。
当事務所で扱っている「家族信託」は、家族で話し合って資産の承継の仕組みを決める仕組みとして、のちのちのトラブル防止につながるものです。
当事務所では、家族での話し合いのサポートも行っておりますので、お気軽にご相談ください。