家族信託コラム⑰~家族信託の落とし穴② 受託者を誰にするか~

 「家族信託」とは、自分の持っている不動産・預貯金などの資産を信頼できる家族その他の信頼できる人に託して、その管理と処分を任せる いわば「家族の家族による家族のためにする財産管理」です。
 そして、上記のうちの財産を託す人が「委託者」で、託される人が「受託者」、財産から利益を受ける人が「受益者」といいます。
 今回はその中の「受託者」についてスポットライトを当ててみます。

 これまで何度かお話をしてきたとおり、家族信託は、財産(自宅などの不動産や預金など)を持っている人が、自らに認知症等の事態が生じる前に、財産の管理を信頼できる家族(例.子供や兄弟など)や友人、つまり「受託者」に託する仕組みなのですが、受託者というのを誰にやってもらうのかというのがきわめて重要な問題となります。

1 専門家にお願いできるのか。

 よくあるのが、専門家が業として受託者をやっていいか、という点があります。
 家族信託に携わる専門家の方は「先生、受託者になってもらって、財産管理をやってくださいよ。報酬は払いますので」ということを言われたりしている人も多いのではないでしょうか。
 しかしながら、弁護士や司法書士などが業として受託者をやることは信託業法に反するためできません。

2 では、誰に受託者になってもらうのか。

 家族信託は、信頼できる「家族」などに、財産の管理を託する必要があります。
 よって、受託者になる人がいる場合、例えば会社などで後継者が決まっている場合にはその方を受託者とするケースが多いでしょうが、そのような託する相手が現時点でいない場合には、その役割を担ってくれる人を育てることが必要となります。
 長い目で見て、自らの築いた財産をしっかりと引き継いでもらいたい場合、その財産を管理してくれる家族などを育てていくという視点も重要です。
 当事務所では、そういう部分も含めてトータルで家族信託のサポートを行っておりますので、ご相談ください。

弁護士法人菊永総合法律事務所 電話082-554-2515 〒730–0012 広島市中区上八丁堀8–26 メープル八丁堀401号

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