家族信託コラム⑭~家族信託(民事信託)と商事信託の使い分け~

第6回のコラム(家族信託と民事信託)の中でも少しだけ商事信託に触れているところですが、今回は、家族信託と商事信託の違いなどについてコラムを書きます。

 商事信託というのは、みなさんが普通「信託」と言う言葉を聞いてぱっと思いつく、そのイメージどおり、信託銀行や信託会社に対して、一定の目的を叶えるため金銭や不動産などの財産を信託し、その代わりにその信託に伴ってそれらの信託銀行や信託会社に一定の報酬(これを「信託報酬」といいます。)を支払うものです。

 他方、このホームページで紹介してきている「家族信託」とは、自らの財産を信頼できる家族等に信託し、その管理を委ねる方法で、その管理を委ねた人(受託者)に報酬を支払うかどうかは任意です。

 私が普段携わっているのは後者の家族信託ですが、商事信託にも家族信託にはない次のような長所があります。

受託者である信託銀行や信託会社は安心して任せることができる。
 家族信託の場合には、自らの財産を任せられる家族等がいなければ組成することができないのですが、信託銀行等の定める要件(資産規模、資産内容など)を充たせば、誰でも利用ができます。

信託銀行や信託会社ごとに様々なサービスがある。
 信託銀行のホームページなどを見ていただくと分かるのですが、色々な商品があります。
 お近くにある信託銀行のホームページを見ると、自らの死後に残された家族に財産を渡していく商品などがあることを簡単にみることができます。

 私自身は、みなさんが解決したい課題に合うサービスは何か、という観点が重要だと思っています。
 よって、相談者にとって他の手段のほうがよいと思われる場合、例えばこの方には商事信託のほうがよいのではと思われる場合にはしっかりとそのこともお伝えしていきたいと考えています。
 今後も、自らが積極的に取り組んでいる家族信託の普及に努めるとともに、その関係する分野の情報についてもしっかりとアンテナを張りながら、相談者のためのアドバイスができるように努力していきます。

弁護士法人菊永総合法律事務所 電話082-554-2515 〒730–0012 広島市中区上八丁堀8–26 メープル八丁堀401号

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