②事業承継
前回は認知症対策を取り上げましたが、今回は事業承継対策について書きます。
会社などの事業承継のネックとなることの代表的なものとしては「後継者がいない」ということもありますが、これはまた別の機会にお話をするとして、それ以外に、例えば現時点での株価が高く、そのまま株式を生前に承継させることが税金面や資金面から困難な場合で事業承継がうまくできていないというケースや、また、自らの後継者を決めているものの「元気なうちは私がもう少し様子を見たい」という気持ちがある場合で株式を後継者に渡すのを躊躇しているケースが多くあります。
株式を譲渡せず、そうこうしているうちに、自らが認知症等になってしまい意思表示ができなくなると会社の経営に支障が生じるおそれがあります(遺言を書いていても、遺言が効力を持つのは相続発生時、つまり自らが死亡したときであるため、認知症になってから死亡するまでの間、経営が停滞するおそれがあります)。
この場合に、株式を譲渡するのではなく、後継者等に信託をするという手法が最近増えてきています。
この手法を使うことで、上記の問題点についてフォローをしたうえで円滑な事業承継をすることができる場合があります。
事業承継といえば、種類株式という手法などもありますが、この家族信託(民事信託ともいいます)という手法も考えてみるのも良いかもしれません。