コンプライアンスコラム⑨~パワーハラスメント防止に関する労働施策総合推進法の改正がなされました。

2019年5月29日に、企業にパワーハラスメント(パワハラ)対策を義務づける労働施策総合推進法の改正法が成立しました。

パワハラは、以前から問題となることが多かったハラスメントですが、法律上の定義や、企業側の防止義務が明確に定まっていませんでした。それがこの度の「労働施策総合推進法」の改正により、法定されることになりました。パワハラ防止に関する改正法の概要としては、以下の通りです。

1 パワハラの法的定義

改正法でパワハラは「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、その雇用する労働者の就業環境が害されること」と定義されました。なお、改正法の付帯決議によると、今後、指針によってより具体的な定義が示されることとなっています。

2 パワハラ防止のための雇用管理上の措置の義務化、措置義務に従わなかった場合の企業名公表

事業主にパワハラを防止する「雇用管理上の措置」をとる義務を課すことが法律で定められました。この義務規定については令和2年6月5日までの政令で定める日から施行されます(中小企業については令和4年6月5日までの政令で定める日までは努力義務となります)。

こちらも、具体的な措置の内容については今後発表される指針により示されることとなりましたが、概ね次のような措置をとることが求められると考えられます。

(1)就業規則にパワーハラスメント禁止規定が定められていること

(2)就業規則にパワーハラスメントに対する懲戒処分が定められていること

(3)ハラスメントに関する相談窓口等を設置し、周知していること

(4)相談の体制が確立されていること

(5)相談の実施における、プライバシー保護が十分にできていること

3 まとめ

この度の法改正により、より一層パワハラをはじめ各種ハラスメントへの対策を強化することが社会的な要請になったといえます。ハラスメントは職場の雰囲気が悪化させたり、優秀な人材の流出にも繋がったりしかねず、企業にとってまさに「百害あって一利なし」といえます。

当事務所でもハラスメント防止に関するセミナーや、相談窓口の構築に関する業務を行っております。これから対応を考えられている事業者の皆様、対応の一層の強化を図りたい事業者の皆様は、お気軽にお問い合わせください。

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