コンプライアンス⑦~予防法務の一環としてのコンプライアンスの取組みの重要性~

 最近は、国会議員によるパワハラ問題などが毎日のように取り上げられているところです。
 パワハラは悪いこと、ということ自体はみなさんの理解を得られるところだと思いますが、それでもなぜパワハラはなくならないのでしょうか。
 そのことへの対応方法などについては、また別の機会に取り上げるとして、今回は久々に予防法務について取り上げようと思います。

1 予防法務とは
 多くの弁護士は日々、裁判を行っているところですが、裁判業務などのことを「争訟法務」といいます。
 これとの対比で、裁判などではなく、そもそも紛争自体が起きないように取り組んでいく法務のことを「予防法務」といいます。
 医療の世界に例えると、争訟法務というのは、外科手術をする外科医の方のような仕事のイメージであるのに対し、予防法務というのは、そもそも病気にならないように生活指導などを行っていく内科医の方のようなイメージで思っていただくと分かり易いかもしれません。

2 予防法務の具体的な内容
(1)契約書等のリーガルチェック
 予防法務の代表的な例としては、契約書等のリーガルチェックが挙げられます。
 普段、契約書を作ったりするお仕事をされている方はお分かりかと思うのですが、契約書の表現振り一つで、とてつもないリスクを負ったりすることなどがあります(最近の例では、東芝をめぐる報道でも、契約書の条項の内容が問題となりました)。
 そういう想定外のリスクを負わないようにするため、定期的に契約書のリーガルチェックなどを行うことが望ましいところです。

(2)法務相談
 普段、仕事をしていると、「ちょっとこれ気になるんだけど、法律上大丈夫かな」ということなども出てきます。
 そういうときに、弁護士などの法律専門家に確認をすることで、万が一の事態が起きることを防ぐことができます。

(3)その他
 私が普段積極的に取り組んでいる「家族信託」も、実は予防法務の一つだと思っています。
 財産を次の代に残そうと考えている人が、家族みんなで話し合ったうえで、その財産の管理や承継の仕組みを決めるということは、その後の親族内紛争の可能性を大きく減らすという意味で、紛争を予防していると考えられるからです。

3 予防法務とコンプライアンス
 以前お話をしたように、コンプライアンスとは法令等遵守、つまり守るべきルールを守ること、又は守れている状態を意味しますが、①守るべきルールを間違えず、かつ②それが守れていれば、法的なトラブルに巻き込まれるリスクというのを減らすことができます。
 そういう意味では、法務相談など(予防法務)を通じて、①の守るべきルールの内容をしっかりと確認したうえで、そのルールの内容に基づいて②のように仕事を行うことができれば、法的なトラブルに巻き込まれるリスクを減らすことができますし、そのような状況はコンプライアンスの取組みがしっかりされている状況であるといえます。
 つまり、予防法務を実践することは、コンプライアンスの取組みにつながるといえます。

 当事務所では、コンプライアンスの研修なども随時対応しておりますので、考えておられる企業の方などがいらっしゃいましたらご相談ください(もちろん、契約書のチェック等も行っております)

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2017年07月23日